時間は“巻き戻せる”のか? 最新量子実験の答え

2025年8月31日に都市伝説系動画で一番再生されたのは『世界最大の謎、時間の正体とは?【 都市伝説 量子力学 】』でした!

「時間を巻き戻したいと思ったこと、ありませんか?」

小学校に戻って今の知識でやり直せたら“チート”だ、いや逆に不便すぎて生きづらいかも――と軽口を交わしつつも、核心は一つ。

「ビットコインを買っておけば」「あっちの馬券を選んでいれば」と悔やんでも、私たちの時間は戻らない。

ところが、過去に戻れる可能性を示す“衝撃の実験”があるという。

ウィーン大学が示した「量子状態の巻き戻し」

紹介されたのはオーストリア・ウィーン大学の研究。

要旨は「量子の状態を過去と同じ状態に巻き戻すことに成功」した、というものだ。

これは単なるロマンではない。

量子コンピュータの実用化において、データの復元エラー訂正に直結する実用性の高い技術だという。

これを「タイムを戻す方向へ一歩前進した」と語り手は位置づける。

量子コンピュータが実装されれば、分子レベルで状況を再現して計算できる。

新技術や新薬の開発で臨床試験の期間短縮が可能になり、「進めて戻して」を高速で繰り返すことで開発が加速する、という見立てだ。

もちろん、今の私たちの時間軸そのものが巻き戻るわけではない

馬券を買い直すことはできない。

しかし「量子レベルでの巻き戻しができるなら、歴史的遺物の“完璧な復元”や、極端な比喩として“恐竜を蘇らせる”ような“タイムふろしき”的な応用も、いずれは……」と、話はドラえもんの世界になぞらえて膨らむ。

「時間は絶対じゃない」――ニュートンからアインシュタインへ

では、時間の正体とは何か。

かつてはアイザック・ニュートンの唱えた絶対時間が支配的だった。

誰にとっても同じ速さで、過去から未来へ一方向に流れる“エンペラータイム”。

だが私たちの体感は違う。

楽しい時間は一瞬で、退屈な30分は永遠のように長い――。

20世紀初頭、アインシュタイン特殊相対性理論(1905年)を発表し、時間観は一変する。

「光の速度はどこから見ても一定」という前提から、観測者の運動状態や重力によって時間の流れ方が変わることが導かれた。

たとえば地上の人(A)と新幹線で移動する人(B)が同時に地面へ光を発した場合、Bには光が斜めの長い経路を進んだように見える。

速度=距離÷時間で、光速は一定

距離が違えば、時間が違うことになる。

実際、速く動く系にいる人ほど時間は遅れる(わずかに“年を取らない”)。

この理論は机上の空論ではない。

GPSは衛星に積んだ超高精度時計の時刻情報を複数受信し、時間のズレ(遅れ)から位置を割り出す仕組みだが、相対論の補正を入れないと数キロ単位で誤差が生じ、役に立たない。

私たちがスマホのナビで迷わないのは、時間が“絶対ではない”ことを工学的に織り込んでいるからだ。

「意識は未来を見ている?」――自由意志の先に立つ脳

しかし、相対論でも説明し切れない現象があるという。

キーワードは「意識は未来を見ている」

  • リベット実験(1980年代・カリフォルニア大)
    被験者に任意のタイミングで指を動かさせると、「動かそう」と意識する約0.2秒前に、脳内に準備電位が立ち上がっている。しかもその約0.5秒前から徐々に上昇している。自由意志の決定より先に、脳は“動く準備”を始めている
  • 画像提示の予期反応
    怖い画像普通の画像をランダム提示すると、被験者は順番を知らないのに、怖い画像が出る約0.3秒前脳が緊張状態になる、という報告が複数の研究機関で再現されている。

こうした結果から、一部の研究者は「意識は未到来の未来を観測できる」可能性に開かれつつある。

もし時間が過去→未来へと一本の川のように流れ、未来はまだ存在しないなら、この現象は不思議だ。

ここで浮上するのが“時間は存在しない”という急進的な見解である。

ブロック宇宙論:今だけが“連続”している

イギリスの物理学者ジュリアン・バー(Barbour)らが唱える発想に近いのが、ブロック宇宙論だ。

要点はこうだ。

宇宙には“時間”そのものはなく、「今」の連続だけが存在する。
無数の「瞬間(今)」が映画の1コマのように並び、意識がそれをパラパラ漫画のようにめくるから、時間の流れとして体験される。

この見方では、選択した瞬間が歴史を形づくる。

明治維新が成功した世界と、幕府が続いた世界。

今日の昼に高級寿司を選んだ世界と、ラーメン豚(二郎系の暗示)を選んだ世界。

空気中の分子が1つ違うだけの世界すらある。

パラレルワールドは「別の世界線の“今”の集まり」として無数に広がっている――という描像だ。

この枠組みだと、体感時間の差も説明しやすい。

楽しい選択を続ける人は短く感じ、退屈でストレスの多い選択を続ける人は長く感じる。

顔のシワ老け見えすら、選択の累積(ストレス等)として表れる。

「若さの秘訣はドモホルンリンクル時間の選択」という冗談も交じりつつ、意識の選択=体感時間という軸が置かれる。

量子のふるまい:観測が未来を“選ぶ”

量子力学とも接点がある。

二重スリット実験では、電子を1つずつ2本のスリットへ打ち込むと、観測しないときは干渉縞(波の性質)が現れ、観測すると縞が消え粒子として振る舞う。

観測行為が結果を確定させる――つまり、未来はもともと決まっておらず無数の可能性の中から観測(選択)によって現実が立ち上がる、という理解だ。

私たちが「時間」と呼んでいるものは、選ばれた結果の連続意識が干渉しているだけかもしれない。

エントロピーと「時間の矢」――卵とカフェラテの例え

人の脳は時間の流れ自然に復元してしまう。

割れる前の割れた殻の写真を並べられれば、大半は右が後と即答する。

カフェラテも、混ざる前→混ざった後を直感で並べられる。

これはエントロピー(乱雑さ)の増大自然現象の一方向性を作り、時間の矢として知覚されるからだ。

すでに2300年前アリストテレスは「時間は変化を測るための指標」と述べた。

古代の人々は太陽の昇降数えることで「三日後」を知った。

つまり、天体の変化という観測共通の時間を与えたのだ。

もし世界から変化が消えれば、時間という概念も消える

ブロック宇宙論×量子で言えば、量子は観測で確定し、変化の観測によって時間が立ち上がる――そんな関係に見える。

パラレルを“選ぶ”ということ――引き寄せの法則との接点

語りはやがて実践的な比喩へ移る。

「今」は横に無限に並んでおり、1秒後と呼ぶ世界が無数ある。

私たちは横に移動しているだけで、それが前に進んでいるように見える――。

この感覚は、通俗的に言えば「引き寄せの法則」に近い。

強くイメージして口に出すことで、その世界(パターン)を選び取りやすくなる。

本来は右の道に進む予定でも、イメージが選択の確率を変え、別の“今”へ移る。

ブロック宇宙論の語彙で言えば、意識の選択が連続する現在を縫い合わせるのだ。

結論は楽観的だ。

今いる世界がたまたま“うまくいっていない”だけ。だったら意識の引っ越しをしよう」。

過去と未来が一直線で厳密に決まっているなら後戻りはできない。

だが「」に無数の今が並ぶなら、移動はできる――。

日本が元気のない“今”も、移動すればいい。

「遅くなんかない。できないと思い続ける“今”を続けるより、できるへ言い換え、口に出すお引っ越ししましょう」。

最後は軽やかに締めくくられた。